〜スーパーマーケット編〜

最近、渡はスーパーへ行くのが、お気にいりです。というのも、スーパーで、自分が編み出した楽しい遊びを、みつけたからです。

 私がよく行くスーパーは、わりとお客さんの層にお歳を召した方が多いところです。その人たちは、カートに山のように食材をいれて、ゆっくり歩いては、立ち止まって商品をながめ、またゆっくりカートを押して歩くのです。
 渡は、そのおばあさんたちが押すカートを見つけると、ものすごい速度でカートの下の部分にもぐりこむのです。
 カートを押しているおばあさんは、カート内に荷物がいっぱいあるので、渡の姿は見えません。それを知っている渡は、すごい勢いでカートを足でこいで、動かすのです。渡がカートに潜りこんだことを知らないおばあさんは、突然、猛スピードを上げて勝手に移動する自分のカートに、仰天して、胸に手を当てて、目をおもいっきり見開き、「キャ〜〜!」と、大絶叫するのです。

 すると渡は、念願かなったり!という感じで、おりて
くるのですが、自閉症時独特のシリアスの顔でおりてくるんです。こ
こで少しでも
「すまないなぁ。」という顔をしてくれればいいのですが・・。
私は、まず、おばあさんをなだめて、謝罪し、渡を怒り、買い物を途中で終えて、店を後にするのですが、私の脳裏には、いつもあの大げさなくらい驚くおばあさん達の顔が焼きついてしまい、笑っちゃいけない。おばあちゃんがいなくなるまで、わらっちゃいけないと自分に言い聞かせています。

 渡が作り出す遊びっておばあちゃんには、申し訳ないけど・・やっぱりおもしろい・・・。(^O^)
ごめんね!おばあちゃん!