AP US history

香穂が、ここ数日、ものすごく悩んでいます。真剣に悩んでいる様子です。
原因は、U.S historyアメリカの歴史)の授業です。この授業の宿題で、
「原爆を長崎と広島に落としたのは、正解か、不正解かを述べよ」
という宿題が出ました。
この答えを学校から指定されてるインターネットの掲示板に書き込んでゆきます。
それを先生が見て、成績をつける訳ですが、友達が書き込んだ文章をみて、意見を言ったりもします。

香穂は、今日は、サンノゼ大学での歴史の勉強日でした。
いつもは、1時間で終わるのに、今日は出て来ないので、先生の部屋まで行って、様子をみると、最後に、
「宿題で、長崎と広島に原爆を落としたのは、正解か不正解か?というのがでたのだけど、先生はどう思うか?」
と聞いていました。
相当悩んでいるんだなと思いました。
学校でも休み時間に友達や先輩とその話をしていたようです。


帰宅してから香穂に掲示板を訳してもらいました。
クラスの生徒は、日本人は、いませんので、正しいと言って、ガンガン理由を書き込んでいました。私が聞いても、
「う〜〜ん。それも一理ある。」
と思うような、しっかりした意見ばかりでした。
私は、アメリカ人でもあるし、日本人でもあると思っている香穂には、体を裂かれるような質問だったようです。


今日、サンノゼ大学の歴史の先生に聞いた後に、考えがとてもまとまってきたらしく、帰宅後、日本の資料とアメリカの資料、両方の資料を見て、いろいろ探し、歴史の事実を目の当たりにして、泣きながら、さらに考えていました。

宿題で
「これだとみんなのウケがいいから、この辺りにしておこう!」
と、いい加減なことをしなかった香穂は、すごいな。と思いました。
最終的に意を決して、意見をしっかりまとめて、涙ながらに書き込みをした彼女。
見ていて、私まで辛くなり、書き込後は、気分転換に
「お寿司を食べにいこう!」
と誘って、和食のレストランに行きました。
そこで、いろいろ香穂のことを褒めたりしながら、馬鹿話をし、気分を紛らわせた香穂。

帰宅してから、
「嫌だなぁ。。PC開けて、掲示板見るの嫌だな。」
と言っていましたが、そこには、
彼女のつらい立場を幼馴染の子供たちが理解し、支えてくれた書き込みがありました。

日本に住んでいれば、ほぼ意見もそんなにかわりなく統一されますが、各国から、生徒が集まる学校です。
これからもアメリカで生きていく彼女にとっては、価値観や、見解の相違には、必ずぶちあたります。
そこから逃げることなく真摯な態度で、考え、自分の意見をまとめて、責任もって発言をした彼女は、すごいなと思いました。
ちょっと感動的な一日でした。