またしてもすごい高校生

香穂の通う日本語補習校が、今日から、夏休み明けで開始です。3月卒業まであと6ヶ月。無事に通ってもらいたいものです。


けど、この高校生達。すごいと思ったことがありました。
実は、渡は、1週間前、ガレージセールでスケートボードを購入しました。これが、滑りが悪い上に、右に右に行ってしまいます。渡は、自分で購入したスケボーなので、どうしても諦めない。私に、
”Fix it!"
と一日何十回もいいます。寝ていてもおかまいなしに顔にスケボーを押し付けられます。スケボーを顔に押し付けられて起きる毎日って・・・


新しいものを買うという手もあるのですが、渡は、たとえ数十万円のスケボーを渡されても、自分が選んだスケボーが、最もいいわけで、他ので、納得する訳がありません。補習校の香穂と同じクラスの男の子がスケボーに乗っているのを思い出した私。朝、登校時に
「あのさぁ、、渡がスケボーを購入したんだけど、壊れてて、渡が納得しないんだけど」
と相談してみました。
「見てみましょうか?」
と言ってくれました。下校時にもっていくと、男の子ですね
「直しときまっさ!」
と、さっと、スケボーをもって、帰りの車に乗っていきました。そのときに渡の姿を見つけてhi 5(手を高くあげて、お互いの手のひらをあわせるあいさつのようなもの)をしてくれたらしく、渡は大喜び。かっこいいお兄ちゃんに男の子の挨拶をしてもらったわけです。そりゃ、もうずっと言いまくっていました。私は、この日、駐車場の整理当番で、お礼を言う暇もなく・・。


で、私は、当番を終えて、香穂と渡と新学期の買い物をして、自宅に戻ると私たちより早く自宅にスケボーが帰宅してました。どうも渡がすごく欲しがっているのを理解して、帰るなり、すぐに自宅のガレージに籠って修理し、自分の家から、私の家まで、スケボーを抱えて、自転車で配達してくれたそうです。補習校は、土曜日に一日通い、その間に日本の1週間分の授業を受けるわけですから、恐ろしく疲れるのですが、それを押して、すぐに修理してくれました。
こんなに早く、どこの修理屋でも、いくらお金をつんでも、してもらえないよぉぉ・・。
合計4ヶ所もなおしてくれた上に、御丁寧にメールをいただきました。
そこには、おにいちゃんらしく、説明と、
「わたぼう。乗って乗ってのりまくれ!」
と励ましの言葉まで書いてくれてありました。渡は、Hi5をしてもらった上に、メールまでもらって、読んでもうニコニコです。



実は、この日。渡は他にもいいことがあったのです。帰りに香穂と買い物にいったら、香穂と同じクラスメートの女の子が声をかけてくれました。その子は、とびきり美人で、渡はもう大ファンです。毎週補習校に香穂を迎えにいくたびに、どうにか握手ができないか?と、いつも目論んでいたのですが、毎回私にみつかり失敗に終わっていました。


ところが、この買い物先で、この女の子のほうから、私たち家族に声をかけてもらった訳です。渡もうれしくて、耳まで真っ赤にして、
「でへへへへ・・」。
と大きな声をだして笑いました。(自閉症の渡は、声のボリューム調節が苦手、なので、ちょっと怖い)
これが、あまりに照れていて、なおかつ嬉しすぎて、歯止めが聞かない状態で、怖すぎます。
親の私が見てても、
「ちょっと、どうにかならないか?怖すぎるぞ。」と思いました。渡はチャンスを逃しません。すっとその女の子に手を差し出しました。すると・・


香穂のクラスメイトの子は、嫌な顔ひとつせず、握手をしてくれました。えっ〜!これ、親の私でも引くよ。こんな
<でへへへ。。>笑いを大声でして、握手なんて。。と思ったのですが、にっこり笑ってくれて、握手してくれました。もうジャンプして、耳を真っ赤にして、走り去ってしまいました。てれて、隠れたらしい・・。


渡は、お兄ちゃんには、優しくしてもらい、お姉ちゃんには、握手をしてもらい、帰宅してからも寝るまでずっと歌を歌い続けて、笑いっぱなしです。家で、何を頼んでも
”イェェェ〜〜ス!!”
となんでもやってくれます。よっぽど機嫌がいいらしい。
それにしても、お兄ちゃん、お姉ちゃんの気遣いが相当うれしかったのでしょう。

高校生になると、はるかに私より大人の子どもたちがいます。すごいなぁ・・。