理系の人とアート系の人とアンパンマン

香穂が大学から夏休みで帰ってきました。長い夏休みです。
香穂と理系の開発リーダーは、仲がいいのでよく話がもりあがります。先日も話を聞いていると話の内容は、
アンパンマン
笑った。大学生と博士がアンパンマンの話をしている風景はそれだけでも滑稽。
けど、中身が笑えて、香穂が
「あのさー。バタコさんってすごいと思うんだ。彼女は確実にアンパンマンに新しい顔を届けるじゃない?」
「そうですねー。あの顔は、放物線を描かず直線で投げますからね。すごい命中率ですね。」
と楽しそうに会話をしている。

放物線だって。普通にまっすぐって言ってもいいのに・・。
あまりに楽しそうに話してるので、口を挟みたくなり突っ込んだ私がいけなかった。
「あのアンパンマンの頭ってさー。実は普通のあんぱんの200個くらいあるんだって!」

ついつい言ってしまった数値。あぁぁ・・ここで気がつくべきでした。


すぐに数値に反応するリーダーが、
「ということは、あんぱんは一個140gだとして、あの顔は、約28kgですね。アンパンマンの顔。それを持ち上げて放物線を描かないで投げるということは、プロ野球のピッチャーが140kmの速度のボールを投げるのと同じと考えて、持ち上げた時の10倍の力が必要でしょうから、280kgの力が必要ですね。」
あぁぁぁぁーーもうリーダーの頭は,数値。さらに
「けどね。それだけ投げれるとしたら女子の砲丸投げの玉の重さは4kgで、世界記録が20メーターくらいしか投げれないわけですから。バタコさんってアンパンマンに出てる場合じゃなくって、やっぱりオリンピックに日本代表で、出てもらいたいですねぇ。」
と淡々と語るリーダー。
もう数値がわからない私。ついて行けない。どうも理系的にはここで笑わないといけないようだ。大量の数値を聞いてクラクラきた私は、笑えない・・。

そこにアート系の香穂が
「ちがうよ。砲丸投げよりもバタコさんが有名になるには、やっぱりイチローを抜く投球力と強肩力だよ。イチロー以上だよ。バタコさんは、大リーガーに入って世界のプレーヤーになるべき。

この投球のすごさはあり得ない。この最後のフェンスのところに登る力はすごいよ。」
と言います。

あの・・ついて行けない・・。
たった一言、アンパンマンの頭の重さを口走ってしまった私の一言から、世界に飛躍してしまうこの二人の会話って、すごすぎる・・。