アメリカの黒歴史である劇の総監督をつとめる娘

香穂のたぶん生涯で最後になるであろう総監督の劇が始まりました。
Why Do You Stand There in the Rain?
という劇です。大学のサイトにもエジンバラ国際フェスのフリンジでFringe First Awardという賞を受賞しているので、しっかりと掲載されています。
これは、アメリカの黒歴史と言えるほどの暗い話、ボーナスアーミー事件を取り上げた劇です。

第一次世界大戦の時に、1924年第一次大戦に従軍した軍人に対して、1ドル(/日)程度のボーナスを基金化して預託し、1945年に支払うということを政府は約束したのですが、1920年後半の世界恐慌が深刻化することにより、軍人達に「僕たちのお金は貰えないのでは?」という不安感が覆います。その軍人たちが1932年にワシントンに向けて、行進をはじめ、約15000人にふくれあがります。これを政府が武力を行使して鎮圧を計る。

というストーリーです。

まー、よくこれをPepperdineが上演したと思うのですが...。アメリカで初めて上演された劇だそうです。これがブレイクするとアメリカでの初上演は彼女達ということになり、この世界ではわりとすごい事らしい。香穂が前に競演した24にでたハリウッドの俳優さんマイケルオニールも上演1週間前に通し稽古を見に来て、泣きに泣いたらしく、香穂に
「すごい、これはすごいよ」
と言っていたそう。
そんなこんなで舞台の準備に入ると、まー軽く1ヶ月近くは電話がないので、「毎度のことねー」だったんですが...。

そんな娘が今日、興奮して電話してきた。初日だったのに、珍しくスタンディングオベイだったそう。
寝る時間もないくらい忙しいのに、しっかりと劇の宣伝の絵はあげている。香穂がつくった宣伝の絵。

彼女の話し言葉に思わず、えっ?って思った事が。
なんとこの劇の作家、ピーター・アルノットが、香穂のFacebookのこの絵をシェアして

ペパーダイン大学の劇、火曜日に開幕ですよねー。現地時間で○時。スコットランドの時間では○時ですね。

と言ったらしい。
今後はこっちが興奮して「えっーーー!!」という番です。

なんでそういうことが起きる訳?彼は自分の書いた本をいちいちfacebookでマメに探し出して、誰がいつ上演するって見てる訳?

って聞いたら、彼女の答えがこう

だって私、ピーターと一緒にスコットランドで夕飯を食べたから。そのときにいろいろ話したし。やっぱ覚えてたんじゃん?

ぴーたーと、ゆうはんをたべたぁ...。だとぉ??

えっーー私、そんなことまったく聞いてなかったよ。そんなすごい話、教えてくれればよかったのに...。

香穂は平然と

あぁ、いわなかったっけ?いろんなことがエジンバラではあったので、忘れてたかも。

と、どこまでもマイペースな娘。けど、大成功でよかったね。