自閉症の大学数学への挑戦〜粘る渡

渡の大学数学。最後の小テストが昨日ありました。これも点数に響くので、どうなるかと思っていましたが、ご本人は、帰宅するなり、
"Easy!"という米の文房具屋”Staples”の宣伝のような言葉を連発。
本当に簡単だったのか??と疑う母。高校の時にEasyといって問題になった行動などもあったし。

まー、ご本人がご機嫌で、そう思っているものをわざわざ根拠もないのに、本当?などと聞くのも失礼な話かと思い(笑)
放っておきました。

本日テストが帰ってきました。

10点満点中10点。
これは驚き。前回の大きなテストは合格点だったけど、点数が悪かったし。
最後の学期末テストを残すだけになり、全てのテストは合格点で突破です。いやー、すごいわ。と思う私。渡は、知的障害があります。
例えば、数学的な部分では、
物を買った時は、とっさにおつりがいくらか解らなかったりします。さらに、順番の列の意味が解らない時もあります。
生活の面では多くの問題があります。
ノイズを立ててしまったり、はねることもしますし、あるべき物がないと非常に悲しんだりします。洗濯物をたたむのは出来ないし。大好きなものは今だに
機関車トーマス
精神発達は、だいたい5歳から7歳の間か?と思う事がよくあるのだけど、近所の5歳児のほうがしっかりしている時もあります。けど、人様が我が家に遊びに来てくれるのが何よりも大好き。なので好きな人がいると「クリスマスパーティに来ない?」と誘います。どこで誰が企画してるんだよ!!
いやーこれでよくぞ、難しい計算を次々解いたと思う。
私が渡の使用教科書を見てても
「いやー、わたし、これ、日本で習ってないわ」と思うことも結構ありました。渡の勉強がわからなくなったら教える、渡担当の理系の開発リーダーは
「えっー習いましたよ。」
と言うのだけど、あなたは理系だからだよ。と思いつつ。けど
「大学生はみんな習った」といい張るリーダー。

習ってないよー。文系だと習わない。友達に聞いてみてあげる。

といって文系の友達に聞くと

何それ?

という解答が帰ってくる。
ほらぁぁぁーーと言うと、習ってない人が居る事に驚く開発リーダー。いやーここで驚くべき事は、文系の友達が少なすぎるということだよ。リーダー。
まー、友達どうしで数学をどこまでやった?とか教科書開かないけどね。

とりあえず、渡はご機嫌なので、二重丸。

けど、渡が香穂に交渉して来た事があった。先日点数が悪かった時に、自ら「自分は数学の王様(Math King)にはなれない」と軽くパニックになったバッチ。

結局、そのバッチはお姉ちゃんに返納し、「数学の王様になるために修行中です」のバッチを持っています。

これを家で勉強する時は、つけている。
渡の香穂への交渉は月曜日の学期末試験が終わったら、Math king(数学の王様)のバッチを自分に返却してもらえないか?と言う事。香穂は、
「テスト会場につけていっては駄目だよ。」と諭しておりました。
「帰宅してから、つけるのよ。」と。さらに厳しい意見としては、
「月曜日の学年末をがんばったらね!!」ということで。
渡も納得したらしく、ご機嫌になり、交渉成立。来週のテストまでは必死で勉強するそうです。よかったねぇ...。これで数学が通れば、本当にあなたは我が家でのMath kingだよ。