それぞれの進路

香穂の学校があと1週間で、終わりです。9月から、香穂は、高校4年生。最高学年になります。(香穂の学区は、高校は4年生まである。その代わり、小学校は5年生まで)
現在の高校4年生の先輩は、ほぼ進路が決まり、それぞれの新しい道を歩みます。
香穂がバンド(音楽の授業で、吹奏楽部)で仲良くしてくれていたC先輩は、東海岸の名門大学へ。
香穂と気が合う兄貴みたいな先輩だったJ先輩は、地元の大学へと進みます。
このJ先輩。地元校に進むため、親から、
「大学寮には、申込まないでいいから。高いから。」
と言われたので、申込んでいなかったら、先日、突然、御母さんが
「あなた、どうして、寮に申込んでいないの!至急、申し込みなさい!!!」
とブチ切れされたそうで、
地元校で自分で通うこともできるのに、どうして寮なのか?
と不思議に思った彼は、御母さんに
「なぜ、僕は寮に住むの?」
と聞いたそうだ。御母さんいわく
「あなたの部屋で、ペットを飼う事にしたの。だから、あなたに寮に入って貰わないと困る。」
と言われたそうで、妹からも
「そうよ。お兄ちゃん、私と御母さんで、ペットを飼うのよ。だから、寮に入ってね!」
と言われたそうだ。その家の長男のJ君。納得がいかず、取りあえず
「ねぇ。いったい何を飼うの?」
と聞いたら御母さんが、きっぱり!
「ブタよ。ブタを飼うのよ。かわいいでしょう!!」
と言ったそうだ。
ブタに部屋を取られ、大学寮に入寮することになったJ先輩は、
「俺、家族の中ではブタより地位が低いらしい。もう言う言葉もなかった。」
と言っていたそうだ。
香穂は、あまりにすごい話で、
「先輩!バンドには、時々顔出してくださいね。」
と言ったらJ先輩いわく
「香穂!!おまえはいいヤツだな」
と喜んでいたそうだ。
香穂も
「いやぁ、あの話を聞いちゃったら、これ以外、かける言葉がなかったよ。」

それぞれの新しい進路です。