自閉症児と覚せい剤などの薬物

日本の芸能界では、覚せい剤等の薬物の件で、報道が加熱しています。
そのニュースを読んでいて、思い出したことがあります。
私は渡が診断を受けた頃、
自閉症だったら、ぐれるのも大変だろうから、薬物等とか不良とかとは縁がなくなる」
と信じておりました。


ところが、小学校高学年の時に担任だったシンシア先生から
「渡たちにドラックエデュケーション(薬物の勉強)を行いたいので、許可書にサインをしてください」
と言われました。これは全てのクラスで行われる物ではなく、特にうちの先生は力を入れて行っていたようです。

えっ?なんでそんなことするのかな?と思っていたらシンシア先生が
自閉症の子供は素直なので、中学校に進級したら、薬物の犯罪に巻き込まれることがある」
と言われました。
「素直だったら、犯罪?????」
訳が分からず聞いているとシンシアが過去に体験した物語を話してくれました。


事件はこういうものです。
いたずらグループが自閉症の学生に声をかけて
「これ、吸わないとお前、殴るぞ。」
と言って脅します。自閉症の子供は"No"ということも言えませんし、逃げることもできません。
ましてや、痛いとか、怖いはわかりますから、素直に従います。
さらに自閉症は他人に助けを求めることが苦手ですので、そのまま渡されたものを吸ってしまいます。
それをみて、今度は、すすめた方が警察に通報し、離れたところから自閉症の生徒が連行されるのを見て楽しむというものです。
自閉症だから薬をやってしまった。無罪放免に・・。」
がすぐに通る国ではないので、これは後々厄介です。



この事件があって以来、シンシア先生は、小学校の高学年の時にドラッグ等(タバコを含む)の薬物の断り方を教えています。
まずはドラッグやタバコの写真を見せて、こういうものを勧められたら、
"No"と言って、走って逃げること。
逃げた後は、親に報告するというものです。
その場を立ち去ることで自閉症の多くの子供たちが、相当数の事件から逃れることができるそうです。
たしかに・・
これが100%安全かと問われると、そうではないですが、我が身を自力で守るということを教えることも大事。


一番いいのは、ドラッグが違法にはびこることがなくなる社会ですね。