アメリカの大学受験について思ったこと

香穂が大学の進学の講演会で、サンディエゴに呼ばれました。私も渡も一緒に着いて行きました。まだまだ日本人の子供がアメリカの大学に進学するということにたいしては、親が米大学を受験するというのを日本の受験制度と同じように考えてしまうんだろうなぁ。と思いました。私も娘が高校2年まではそうでしたから。

私の体験談から言うと、日本の受験は、グループ分けの気がします。偏差値がこれ以上あったらここは合格するよ。合格確率は何%とか。
アメリカで娘の受験を見ていて思ったのは、アメリカの受験は
「恋愛結婚」
に大変似ています。何点取ったらまちがいないというのはあまりない気がします。特に私立の場合はこの色が濃くでます。いい点数や成績をとったので、合格とはなりません。
エッセイを書いても、お母さんがいつも
「いい大学に入れば、大企業に入れるから。」
と言っていて、そんなことを書こうもんなら、これはマイナスとして大学側から受けられると思います。だって恋愛結婚で女性が男性に
「あなたとつきあって結婚したら、私は一生安泰だから結婚したい。」
って言われて
「あぁ、この子は、なんていい子なんだろ。結婚したい!」
と思う男性は、いない訳で。(もしいたら、すみません。少ないとはおもうんですが)


うちのケースですが、
こちらで大学を受けるっていうのは、まずは相手選びからです。たくさんの大学を見て、子供自身が、大学と周波数があうのか?この大学が好きなのか?を見ます。事実、娘は名門と言われたところで、ツアーをしてもらっても、途中でやめて帰ってきた所、他にはゲートをくぐったとたん、
「私、この大学は絶対に来ないから、ツアーももう出ない。」
とまで言ったほど、各大学の色が違いました。

好きだなー、いいなぁ、と思ったところには、アプローチですね。
つきあって貰うのと似ています。真剣におつきあいするときっていうのは、相手の両親にもあう事があると思います。(大学受験の時はこれが教授にあたるかと)そんな時に、
「あなたの家族になったら、私、安泰なのよ」とは、言わないでしょうし。(笑)

こちらがアプローチすれば、相手(大学側)が仕掛けてくるところもありました。すごいところは、教授に見学を兼ねた面会を終えて、自宅に向かっている時に教授から娘の携帯に電話してきたこともありました。本当に恋愛みたいです。
自分がどれだけ何を感じてここを受けるのか?大学で何をしたいのか?という自分の意見をしっかりともっていなといけないと思います。

娘の場合は、受けるときに
「ちょっと違うかもしれないけど、とりあえず。」と思って受けたところもありました。けど、そこはやっぱり違う感が当たっていて、
うちの娘の学部の場合、面接もありますので、受験したときに
「あぁ、違った」
と思ったようです。そういう所は結果がきても、もう合格通知の封もあけませんでした。私も
「ここは娘には違うなー。社会ではいいとされてるけど。」と思った所の大学受験後の下記の話が、よくこれがでていると思います。
受験後進路カウンセラーの方に

香穂は、この大学のいいと思ったところは、どこですか?

と言う問いに

吉野家があった。

でした。

では、次にこれは嫌だなーと思ったところは?

と言う問いには

タマネギが大きすぎる。

と真面目に答えていました。ここは、彼女は大学には、まったく魅力を感じなかったということでしょう。たぶん、娘がこの大学に入ったところで、3日しないうちにやめる事を考えていたと思います。途中で帰ってくるでしょう。よーするに出戻りになったと思います。出戻りもいいのです。自分でちがうと感じたのだから、それはそれでいいと思いますが、払った高い授業料は返っては来ないだろうし、出戻りというのは、すっごくわくわくする楽しい事ではないのですよね。出戻る事を考えて結婚する人が居ないのと同じでしょう。

なので、面接時に
「あなたはここに来たら何をしたいのか?うちの大学にどういうことをもたらすのか?あなたがここの大学でしかできないと思うことはなにか?」など徹底的に聞かれたそうです。

結局、娘は今の大学は結構気に入っていて、すごく勉強になったけど、この勉強したことを生かすけれども最終進路はちがうんだちよねというところのようです。
娘の大学の講演会の話を聞いててふと思い出したことでした。