さらなる敗者復活を成し遂げる自閉症の渡

渡が公文の数学の進級試験を受けました。渡の通う公文は大きく分けて3段階のグループに別れています。
そのグループ毎に鞄の色が違います。こんな感じです。

渡は現在トップクラスのJ以上というクラスにおりますが、その中でも小さいグループが段階に別れて存在しています。
その小さいグループを1つあがるためには、渡は、1200ページの公文をやります。彼は障害があるので、同じものを何度もするからページ数も普通より多い訳です。今回、1200ページの公文を無事に終えたので、テストになった訳ですが、普通の子供でも上にあがる為にうけるテストは何度も落ちます。特に渡は新しい事が苦手ですので、テストという普通とは変わった問題で、変わった形式で受ける事は非常に難しい訳です。なので、これもテスト勉強が必要なのですが、今回は、大学の数学のテスト勉強に時間をかけた為、公文のテスト勉強にあまり時間が割けなかった。その事はご本人が一番解っているので、公文前のスピーチの時間、やたらと緊張しています。スピーチセラピストの方が、そのことを察して、「どうしたの?」と聞いてくださったので、理由を説明しました。

そうしたら、渡と集中力をつけるゲームをやってくださいました。これがまた渡が得意なものです。その間中、褒めていただいて、きのうの大学でのテストをパスしたことも含めて褒めてくださいました。
私は、渡がいいことをすると、なるべく多くの人にお伝えして、褒めて頂く事にしています。褒められるのは人間がのびる一番の早道ですし、周りの人もあまり褒める事が多くない渡ですから、こういうことがありましたと報告すると、すごく喜んでくださって、渡に褒めながら声をかけてくださいます。

そうすると緊張していた渡の顔がだんだん笑顔に。
「僕、スマート(賢い)かも...」
と言い始めました。めでたい奴やのぉ。
と思いながらみていましたが、スピーチの方は、

そうよ。だからあなたは、リラックスしてテストを受ければいいのよ。リラックスする。ね!簡単でしょう?

と言われて、万遍の笑み。いい気持ちで公文に来ました。私としては、リラックスしたくらいで、公文のテストに受かれば世話はないけど...と思う。けど、緊張してないので、パニックの怖れがないだけでもこちらは、すごく安心です。

公文の先生も受かるとは思っていないので、すごく優しい言葉をかけてくださいながら「がんばってね。」と言ってくださいます。

さてテスト開始。
思ったより早く終わったので、あぁ。大丈夫かな?まー大学と違い、もう一度受ける事ができるので、安心だと思っておりました。
先生がすぐに採点してくださり校長先生に回してくださいます。校長先生も渡が成績を気にする事を知っているので、すぐに呼んでくださり、結果発表。
なんと

合格!


えっっっ〜〜!!!!

驚く私。自慢げな渡。
よかったねぇ。としみじみ思いました。皆さんが、渡が緊張しない様に声をかけてくださったり、気を使って頂いたおかげで実力以上が出たのかも。
ブログやTwitterでも多くの方から「おめでとう!」と言われて、「ありがとうとございます!」とPCに向かってお辞儀する渡です。本当にありがたい限りです。皆様のお陰です。ありがとうございますっ!!!