すっごい物を頂いてしまった私

会社の私の机は、実は前にオフィスを借りていた人が残して行ったもの。スチールで重い上に傾いていたのです。スタートアップの会社が家具にお金をかけるなんていうのは私の中では良くない事と思っており、そのまま使っておりました。うちの会社には、購入した家具がありません。みなさんの思いやりと優しさで家具が集りました。
けど、私の机はたしかに斜めでした。(笑)設立時に頂いた椅子たちもすこしづつ傾き始めておりました。その机がこれ。

右と左の机の高さは微妙に違います。さらに左側の棚は斜めになっており、ちょっとした地震で倒壊しそうでした。机もまっすぐではありませんでした。

シリコンバレーで起業すると、本当に多くの方が援助の手を差し伸べてくれます。
「何がお手伝いできますか?」
という感じです。

たぶん、私が一生かかっても返せないくらいの助けを頂いています。
その中のお一人に会社の社長さんがいらっしゃり、
「なにかお手伝いできることはないかな?」
と言われたので、思いついたのが机と椅子。
ここのところ微震が続いているベイエリアでは、開発リーダーも
「危ないな。地震がきたら、スチールの棚で由美さんは下敷きになるかも。」
と思ってらしく。さらに、開発リーダーの椅子も中学生の勉強用の椅子だったので、思わず社長さんに
「もしご存知の会社で縮小したり、家具を買い替えたりする予定があれば、開発リーダーの椅子と、私の机と椅子が必要なのでお声をかけてください。取りに伺います。」
とお願いしておりました。

しばらくすると突然秘書の方から連絡があり
「明日は在社ですか?」
との質問。
「います。」
と答えると、椅子を送りますとのこと。取りに行きますと言っていたのですが、会社で待っていると、なんと開発リーダー用の椅子が新品で送られてきた。
ずーっとお気にかけてくださっていたようです。けど、なかなか縮小する会社や、家具を入れ替える会社がなく、
「じゃ、買ってプレゼントしよう!」
と思ってくださったようです。開発リーダーも私も、もう「あんぐり。」状態。
椅子のプレゼントなんて凄すぎる・・。

そこから1ヶ月ほどが経ちました。開発リーダーは背もたれの高い座り心地のいい椅子で毎日を楽しく会社で過ごしておりました。
するとまた秘書の方から、
「あの、机と椅子が余っています。まだお要り用ですか?」の言葉に
「要りますっっっっ!!!」
の返事の私たち。

受け取りに行くと、トラックがないと運べないくらい超高級な家具でした。
すぐにトラックを調達。これも安い。ビバ!アメリカ!です。

こういう用事だとトラックの運転も楽しくなりますねぇ。

よく伺うと、どうも社長さんが、ご自身の家具の買い替えを判断されたそうです。
私たちが机、椅子!って言っていたのでお気にかけてくださった上の判断かも。
粋な起業家文化のシリコンバレーです。

さて会社に到着してから困った事に、あまりに家具が立派で重く。
社にはその日は私とリーダーしかおらず・・。2階のオフィスに2人では運べないということが判明しました。リーダーは理系なので、木の密度から重さを割り出して絶対に運べないと確信を得た様です。
どうしよう・・。とリーダーと駐車場で悩んでいると大家さん親子が
「どうした?どうした??」
と出て来てくださいました。
実はかくかくしかじかで・・・・とお話すると
「ゆみ、車も早く返却しないといけないだろうし、人を雇ってもお金がかかる。みんなで運ぼう!」
とおっしゃってくだいました。みんなで上まで持って運びました。
大家さんは、
「ゆみ、こんな素敵な家具を頂いたら、大事に使わないとね。調合のワックスタイプのペイントがあるからそれでコーティングしてごらん。長持ちするし新品になるよ。スタートアップなのだから、物は大事に。」
との言葉でペイントすることに決定。やはり長老の言う事は聞かねば。


けど、ペイントなんてどうやって?????


ところが、リーダーは昔プラモデルにペイントしていたらしくペイントには、やたら詳しく・・。やってみたらまるで新品になりました。
すごー。こんな家具に大変身。

椅子は私が座っても、もう一人座れそうな大きさです。

本当にありがたい限りです。
1.4倍は広くなったと思われる机にすると仕事の効率も上がってきました。

シリコンバレーの起業家の人たちを助けてくれるちょっといいお話でした!!